ホーム > スタッフブログ > 親子丼は飲み物だった(取材ログ:鹿角市・上)
みなさん「きりたんぽ鍋」ってご存知ですか。
まあどこのご家庭でも1シーズンに一回はきりたんぽ鍋やると思うんでご存知かとは思います。わかります。やらずにはいられませんもんね。やらないですか。じゃあ今度こそやってみませんか。
心のどこかにある。きりたんぽ鍋やりたいという熱い気持ちが。
さて、わたくしはなにしろ生粋の秋田県民ですので、みなさんが泣いて悔しがるほどには食べてます。鍋料理+郷土料理+家庭料理的なところがあったりもしますから、味も具も趣味も好みも千差万別なんですけれども、ここはひとつ秋田県のコメ屋として本場プロの本気をみなさんにお届けしたい。そこで、わたしが考える県内最強のきりたんぽ鍋を探すことになっていったわけです。
そうしてひとつの最強候補が浮上しました。
6月初旬。大潟村を飛び出したわたくしは米代川に沿って東へ。
初夏の緑も日差しもさわやかな羽州街道…国道7号から国道103号をひた走ること2時間。
訪れたのは、『きりたんぽの発祥の地』と言われている鹿角市です。
これから絶品きりたんぽ鍋をつくっているとある施設にお邪魔いたします。
…その前に。
熱心なわたくしはあちこち道草調査しながら来ましたもので、到着時はすっかり昼。
昼食は先方のやられているレストランに行こうと決めてまして毛馬内(けまない)の街中に入りました。行ってみて驚いたんですが、そこにはシブい長屋の街並みが。正直、山超えて川越えて来たもんですから、鹿角市はもっと田畑のひろがる長閑なところと思っていましたが、なかなか風情があるではないですか。
生粋の秋田県民なのによくわからない自治体があるのかと疑問に思うかもしれません。秋田県は非常に広大(ウユニ塩原とほぼ同じ面積がある)なので意外に行ったことないとかよく知らないところも存在します。
さて到着したここが『御食事処 比内地鶏 くらみせ』さん。
月山神社の立派な鳥居が目印です。じゃあ、つまりここって参道だったんですか?
ちなみにこの通りは「毛馬内BON通り」といいます。
このシブい長屋通りがまさかBON通りって名前とは思わなんだ。名物の盆踊りにかけてるんですよね多分。いいねしたい。
軒下に「合」から一本抜いたようなマークがあります。「一」どっか飛んじゃったんですかね。まさか。これなんて読むんだろうなあと思いながら見上げていました。入口とか人口って読むのかな。
蔵をリノベしたレストランなんて生まれて初めての経験です。店内は和モダン。出入口から店内はやや降りていく数段低い構造になっていて、照明も暗め。落ち着く雰囲気です。
ここは比内地鶏の飼育をされてるところのお店で親子丼が美味しいと評判のお店です。
すみません。わたくしの撮影技術のせいで感動が半減してるんですが、なんか春の花壇みたいじゃないですか。麗しい。興奮のあまりブレて何だかよくわからない黄色い写真が何枚もありました。落ち着く雰囲気とは一体何だったのか。
比内地鶏はやきとりのように香ばしく焼き上げてあるようです。それが甘めの出汁と卵でとろりと仕上げてある。そのバランスが絶妙で、ふわりというか、とろりとしている。比内地鶏はキジなどの風味に近いそうで、肉質も旨味と弾力重視。したがって少なくとも何度か嚙まなければいけない。
だけれどそのまま飲み込んでしまいたい。ジレンマ。これはこういうドリンクかもしれないというところまで思っていたら、絶妙なタイミングで隣席の紳士がいきなり「飲み物だねえ!」。
食後のコーヒー(レーコー)もしっかり頂きました。ごちそうさまでした。
いざ取材先へ。つづく
(前置きが長すぎて次が本編)
販売二課 佐々木