ホーム > スタッフブログ > 横手市十文字町の「桃」は花咲く桃源郷
桃源郷とはユートピアと同じような意味を持った、理想郷を指す言葉だそうですね。仙人が住んでいるとか、俗世から離れた如何にも素晴らしく完璧な場所だとか。そういった神秘的な場所の名についている「桃」。長寿、魔除け、縁起物としても知られる桃はちょっと他の果物とは違う不思議で特別な存在のようです。
「今ちょうど花が咲いていてすごい綺麗です。桃源郷みたいですよ。」
横手市の農家を訪ねる私たちにそうおっしゃったのは「小原果樹園」の小原さんでした。
小原さん「カメラ目線がいいですか?」お気遣いに心より感謝です
道中で立ち寄った県内有数の花見の名所・横手公園もほとんど葉桜でした。今年は桜の開花が早く、足早に散ってしまった寂しさを噛みしめていたところ。ヤッターまだ花見ができるぞ!それと同時に、「あれ、桃の花ってどんな花だっけ?」ひなまつりの歌詞に登場するのに、いまひとつピンと来ない。見てみればわかることです。
横手市十文字町に文字通り「桃色」に染まった農園がありました。ここは「ほそかわ農園」です。(お隣には小原さんの桃園があります。)やがてたくさんの桃を実らせるであろう木々が70aの敷地に見事な花を咲かせていました。
桃も桜と同じバラ科なためか似ていますね
この日は春風が強く、平野を渡り山へと吹き付ける風はキリッと冷たくて私は着ていたブルゾンのファスナーをしっかり閉めました。
樹上の農家さんは「わあきれいだなあ」「わあ花が咲いたなあ」とのんきに見てはいられない。いつもより2週間程早く咲いた花を前に、摘花作業にあたられていました。バリバリバリッと取る。いや取るというよりむしる、こそぎ落とす。花の可憐さとは対極的な勢いのある作業です。
細川さん「チマチマやってたら終わりませんから」(バリバリバリ)
この細川さんは小原さんと共に「ピーチマン」なんて呼ばれている、桃農家のトップランナーです。ああ本当に桃が好きなんだなぁ、というのが言動の端々から伝わってきます。聞いた話では樹に触れてウットリしている姿も目撃されています。
すると突然「樹形の話は聞いた?」と話しかけてきた方が。なかなか会話冒頭に「樹形」が来るのは経験がないです。
その方は細川さんの弟子だそうです。ほかにも数名…中には若い女性もいたりして、皆さんは細川さんが実践する先進的な桃の栽培法を学ぶために来ており、常に細川さんと桃の樹を囲んでは、あれこれ熱心に話し込んでいる。
ああ、この方々もゆくゆくはピーチマンになっていくんだ。もしかしてすでにそうなのかもしれない。そんなことを思いつつ、師匠へのリスペクトをたくさん聞かせて頂きました。すごい人です。
桃源郷の女神様たち(作業中)が手を振ってくれる 小原さん「手を動かしてくださ~い」
技術や手間だけではない、いろいろな方々のたくさんの愛情も詰まった桃がただ今横手市で育っています。皆様へのご案内をどうぞお楽しみに。
販売二課 佐々木
秋田県の豊かな自然が育む、季節折々旬の味をお届けしております▽