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2022.9.6
特産品の取材秋田県の話題
キンキンに冷えた蕎麦は、200年経っても激アツだった(取材ログ:羽後町)

南に蕎麦の町あり』。それを聞いた私はちょっと驚きました。

コメ王国・秋田において、そのような土地があるとは知らなかったんですが、それがここ羽後町西馬音内(にしもない)地区。盆踊りで有名なところです。

 

かつて大阪は砂場で修業した弥助さんという人物が故郷にもどり蕎麦屋を創業したのが始まりで、彼は惜しみなく蕎麦打ちのテクニックをバンバン教えまくったんだそうです。それで弥助さんからどんどん派生した蕎麦屋ができて、いつしか羽後町は蕎麦の町になった。
北前船に潜り込んで大阪に渡るとか、その胆力もさることながら、自身の得てきたものを故郷に完全に還元する心意気がすごいですよね。

 

ちなみに近年、羽後町は「じゃあもう蕎麦も作っちゃおうか」「産地化しちゃおうか」と頑張っているところなんだそうです。期待しかありません。

 

 

というわけでこちらが『弥助そば屋 本店』。

創業は文政元年(1818年)、すでに200年を超えています。やってくれましたね。

店内はお座敷が2つにテーブル4つほど。11時半頃に入店しましたが、ものの10分もしたら満席になりました。それでもどんどんお客さんが来る。

 

 

そしてこちらが本店の「冷かけ」。冷たい蕎麦です。冷たい蕎麦というと、ざる蕎麦とか盛り蕎麦と思い浮かべるのではないでしょうか。ここではこれがスタンダード。器に冷たくしめた蕎麦と冷たいつゆがかけてある。

手打ち手切り感の強い、ただならぬオーラを持っている蕎麦が出て参りました。蕎麦は短く太さも不均等でワイルド。歯ごたえがそこいらの蕎麦とは明らかに違います。
蕎麦はワイルドながら、つゆはほのかに甘さのあるやさしい味です。ギャップに弱い人にはかなり刺さるのではと思います。

 

ここからが大事です。そして驚くべき核心です。

 

これは夏メニューというわけじゃないんです。
なんと真冬でもこれを食べるらしい。

ご覧ください。

 

 

要するにフルタイム・冷がけなんですよ。

 

しかもこの羽後町。
こ真冬はどんだけ雪降って寒いと思ってるんですか。

 

弥助さん…アツすぎます。

 

販売二課 佐々木