インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。
ホーム > プロの料理人が選ぶ理由 > 東村山で愛されて半世紀、新鮮なネタを赤酢のシャリで握る「亀八鮨本店」様
2024.12.15
こだわりのネタとボリュームのあるランチが人気の「亀八鮨本店」様は、西武新宿線久米川駅から徒歩4分ほどにあり、東村山出身のあの人も通っていたお寿司屋さんです。
約半世紀にわたり地元をはじめ多くのお客様に愛されるお店は、大将の荻野由之様が創業され、現在は息子の匠様と親子二代で職人技が光る握りを提供されています。おすすめのネタや赤酢のシャリ、店名の由来についてお伺いしました。
―創業された背景や、創業当時のエピソード等があればお教えください。
(大将)もう53年前だけど、店を始めた当初は借金が一番苦しかったな。あんまり学もなかったし、とにかく自分で何とかして生きていかなきゃしょうがないと思って、最初は日本橋の寿司屋で10年、修行していました。
(大将)ここが地元、生まれたとこなんです。初めは同じ久米川の別店舗で12年ぐらいやっていました。当時は右肩上がりの経済で、ちょうどバブルの頃に土地を買って家を建てました。
店を持ったらとにかく自分の家を持たなきゃいけないって、修行先の親父が言うものだから。その親父が、あそこができたからここをどけって言われて、3回ぐらい移転させられたらしくて、そうならないように自分の家を持ちなさいと。やっと借金が終わって、あとはもう息子に任せています。
―お店を続ける上で大事にしていることをお教えください。
(若大将)やはり裏切れないということ。お客様の期待を裏切らないように一生懸命に仕事しています。
―食材選びで大事にされていることをお教えください。
(若大将)うちは熟成させたりしていなくて、霜降りとか新鮮なものを仕入れています。
あらかじめ発注したものを東久留米の市場に取りに行っていますが、忙しければ毎日行くこともありますね。
―おすすめのネタはなんでしょうか?
(若大将)今の時期(取材日11/11)だとやっぱりさんまです。去年は身が細いままシーズンが終わってしまいましたから、去年より良いと思います。
トロとかウニ、赤貝なんかは、もうほぼ原価に近い価格でお出ししています。自慢のネタですね。
―YouTubeで東村山エール飯(東村山を中心に多摩北部・埼玉西部の魅力を発信している)を拝見しましたが、卵焼きがすごく美味しそうでした。
(若大将)うちでは卵の量に対して、カツオ出汁が2分の1。焦げ目が好きな方もいますが、絶対に焦がさないように焼いています。
―2001年から弊社のお米をお使いいただきもうすく24年になりますが、お米へのこだわり等をお教えください。
(若大将)父の修業時代から付き合いのあった米屋がやめてからですね。亡くなった母が決めたんですよ。それまで使っていたコシヒカリより、あきたこまちの方が非常に扱いやすいです。
―握りが絶妙、ほどけるような感じという口コミがありましたが、お米の炊き方やポイントがあればお教えください。
(若大将)お米は硬めに炊いています。おにぎりじゃないので、食べた時に口の中でバラけて欲しいので。
―シャリに赤酢を使っていらっしゃいますが、こだわりをお聞かせください。
(大将)修行先があった千代田区と日本橋界隈には昔からの寿司屋がいっぱいあって、当時は白酢じゃなくて赤酢を使っていました。だからうちはずっと赤酢を守っています。
(若大将)香りが良いしコクもあってまろやかなので、非常に美味しいですよ。
―このお写真は志村けんさんですよね?お若い~。東村山の出身でしたね。
(大将)お兄さんが市役所にいて、売れる前はしょっちゅう来ていたんですよ。売れてからは2回ぐらいしか来ていませんが、お兄さんとかお袋さんと来ていました。
―店名の由来をお教えください。
(大将)今は亀八鮨ですが、初代は亀井という苗字なので、「亀井」でやっていました。そこで修業していた若い衆がすごく優秀で、みんな独立していくんですね。それで同じ亀井が増えちゃって、今度は名前の権八から「八」を取って「亀八鮨」にしたんです。
これ亀八だから、亀の中に八があるんですよ。(写真参照)
―商標登録されているんですね。この横に並んでいる亀八レストランというのは?
(大将)これはニューヨークのお店です。ニューヨークとシカゴとどこかにある。これは一番初めの頃ですよ。
―ここを本店として、こんなにいっぱいあるということですか?
(大将)今は跡継ぎがいないとかで半分もないんですが、全国で150件ぐらいあると思います。
お客さんが、同じ字で同じマークがついたお店があったと笑って話してくれるので、どこか聞いてみたら鹿児島の枕崎だって。そんなところにもあるのかと驚いたくらいです。
―すごいですね、そんな増えると思わないですよね。
(大将)どんどん減っているから、うちは辛うじて残れるかなって感じですね。あと20年ぐらいは。
回転寿司と同じようなネタを使っているような寿司屋は、どんどんなくなっちゃう。やっぱり良いものを使って良いものを作らないと、良いお客さんも来ない。
―そうですよね、確かにごもっともです。今から食べるのが楽しみです。
=インタビュアー実食!=
今回は若大将おすすめのおまかせ握り「満足コース」を頂きました。
握り9貫は左上から大トロ、紋甲イカ、中トロ、鯛、天使のエビ(天国に一番近い島と言われるニューカレドニアで誕生した旨味の強いエビ)、イクラ、ウニ、赤貝、玉子、巻物はネギトロ巻きでした。創業当時からのこだわりの赤酢がとてもまろやかで、酢飯独特のツンとした感じがせず、非常に食べやすい印象でした。
また、若旦那の握りが絶妙で、ご飯が硬すぎず軟らかすぎず、シャリが口の中でほどけるような食感で、どのネタとも相性が抜群でとても美味しかったです。油揚げとネギのお味噌汁も握りとよく合います。
どのネタも非常に美味しかったのですが、仕入れにもこだわっているというウニは正に絶品でした。味がとても濃く、ウニの旨味が口いっぱいに広がります。最後のあがり込みで、満足過ぎるコースでした。
大将と若大将、奥様の素晴らしいお人柄もあり、お昼時にはたくさんのお客様が来店されていました。カウンター越しで気さくにお話されている姿を拝見し、地元の皆様に愛されるとても素敵なお店だと思いました。
ご馳走さまでした!
稲垣
東京都東村山市本町4-3-45
TEL:042-394-1778
営業時間:11:45~13:30
17:30~22:00
定休日:毎週水曜日
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