インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。
ホーム > プロの料理人が選ぶ理由 > 電車を眺めながら誰もがゆっくりくつろげる「シャララカフェ」様
2023.11.15
相鉄西横浜駅徒歩1分、線路沿いの建物の一角にある「シャララカフェ」様は、電車の車輪が真横から眺められると、電車好きの方やお子様にも人気です。
カフェは県央福祉会と横浜共生会が合同で運営している「生活創造空間にし」という建物の中にあり、障がい者施設でありながら、誰もがゆっくりくつろげるおしゃれな空間として、美味しいお食事を提供できるカフェというコンセプトで、社会福祉法人が運営されています。
建物全体がバリアフリーになっており、車椅子やベビーカーが通りやすいように通路の幅に余裕があり、キッズスペースやソファー席もあります。
今回は、2011年の震災をきっかけに支援スタッフに加わった吉田様と、昨年、新卒で加わったイラストが上手で頑張り屋さんだという香西様にお話をお聞きしました。
-メニュー表がとても素敵ですが、吉田様が作られているんですか?
〔香西様〕中まで全部やって頂いています。
〔吉田様〕写真を変えたりテキストを変えたりできるようにとたたき台を作って、スタッフみんなでやっています。
メニューは私たちだけでなく、施設の所長とか主任からも色々提案して頂くのですが、男性なのでガツン系のごはんなんですよ。生姜焼きとか、この間なんか麻婆豆腐カレーとか考えて頂いて。
カフェのスタッフは女性が多いですし、お子様連れのお母様とかが多いので、なるべくそういう方たちが召し上がりやすいようなもの、例えばキッシュプレートとか、おしゃれなメニューを考えています。
働きやすい環境を提供してくれる良い所長ですよ。
〔吉田様〕働いてくださっている障がいのある方を、就労サポートセンターを利用しているので利用者さんと呼んでいますが、その方たち13人と、私たち支援スタッフ5~6人、それとお客様とでカフェが成り立っています。
-利用者さんと一緒に働くうえで大切にしている事はありますか
コミュニケーションについては対等に接するよう心がけています。
利用者さんは9時から16時までの勤務ですが、そのうち90分の休憩があるので、疲れやすい方でも働きやすい環境ではあるのかなと感じています。写真を多く使ったマニュアルを準備し、口頭でお願いする時は一度に複数ではなく、一つずつ指示をするようにしています。
-「電車が見える店」とありますが、オープン当初からコンセトにあったのでしょうか?
〔吉田様〕当初からあったかはわかりませんが、ここ10年ぐらいはお子様や電車好きの方がすごく多いです。インスタグラム(https://www.instagram.com/ncshalalacafe/)をやるようになって5~6年でしょうか、そちらで電車の見えるカフェとか発信しています。土曜日なんかはご家族連れで来てくださる方が多いですね。
都内にも電車の見えるカフェはありますが、電車好きな方がおっしゃるには、真横から車輪が見えるのが本当にありがたいと。
キッズスペースで子供を遊ばせながら、子育てしているママさんたちが少しだけでもホッとできる空間というがもう一つのコンセプトです。あとは障がい者施設ですので、車椅子の方やいろんなハンディキャップを抱えた方もいらっしゃることができるようにということ。
口から嚥下、飲み込めない胃ろうの方は、胃に開けた穴からミキサー食みたいのを入れるんですが、カフェが忙しくない時はそういったことも対応しています。忙しくて対応できないこともありますが、障がいを持った方とそのお母様が、小さいミルミキサーでご自分でミキサー食になさる方もいらっしゃいます。
他ではではなかなかできないですから、いろんな方に利用して頂きたいです。
-弊社のお米を使って頂いている理由、きっかけをお教えください
〔吉田様〕ここのロゴを考えた職員の実家が新潟県でお米を作っていたので、最初はそこからお米を仕入れていました。その頃には私もいたと思いますが、多分セールスにいらしてくださったのではないでしょうか。それでサンプルのお米を職員みんなで食べてみて、とっても美味しかったので、お取引させて頂くことになったんですよね。
〔香西様〕この前そこのロビーでコンサートをやっていて、カレーを出したんですけど、そこに来た方が「このお米はどこのお米ですか」と聞きにいらしたお客様もいらっしゃっいました。「あきたこまちです」とお答えしたら、「すごくお米がおいしかったので」と言って頂きました。
-お米の炊き方についてポイントがあればお教えください
〔吉田様〕カレー用だからとかメニューによって、炊き方を特に変えたりはしていません。私が入った当初、十年くらい前は、カレーにはあまり軟らかいご飯ではなく、ちょっと硬めに炊きましょうという話にはなっていましたが、多分、分量とかはその時と変わっていないと思います。
硬めというよりは、軟らかくならないようにという感じです。
〔炊飯担当の相澤様〕水の分量をきちっと計ることでしょうか。炊きあがったらちょっと混ぜるというような感じです。
〔吉田様〕水は少しの量で炊きあがりが変わりますものね。家庭用の一升炊ける電気炊飯器を使って、無洗米を浸漬せずに、すぐ炊けるモードで炊いています。例えばハンバーグの中は冷たかったとか、そういうのは時々ありますが、ご飯に関しては硬いとかそういったクレームなどは一切なく、本当に評判が良いと思います。
〔香西様〕二台ありますが、お店が混んだ時に二台使うくらいです。
-おすすめメニューをお教えください
〔吉田様〕カレーは、この施設のレトルト部門で作っているカレーなんです。結構美味しくて、カフェ内のショップでも売っています。お肉が好きな方にはビーフカレーが一番人気です。バジルチキンカレーもレンコンとかが入っていて美味しいですし、当初からあるテリヤキチキンボールやガパオライスも人気ですよ。
-カレーのスパイスとか何かこだわりがあればお教えください
〔吉田様〕レトルト担当に聞いたところ、メインは市販のカレールウ、それにガラムマサラ、ケチャップ、中濃ソース、コンソメ、塩、ザラメのお砂糖とかを、3種類あるカレーの種類によって使い分けているそうです。
あとは具材にこだわりがあるみたいで、ビーフカレーは大きめのゴロッとした牛肉を入れたり、手羽元カレーは手羽元はそのまま、バジルチキンカレーはトマトですとか、バジル、チキン以外にレンコンとかも入っています。
他には、厨房の裏手に少しスペースがありますので、そこでプチトマトやミントを栽培しています。ただ、プチトマトは今年はあまり採れなかったんですけれども、そういう希望を持ってやり始めたので、ちょっと今年は残念でした。
うちは就職したい障がいのある方たちをご支援しながらのカフェなので、その方たちもすごく一生懸命、プチトマトのお水やりとかやってくださったので、それはまた来年やりたいですね。
-オムハヤシも一押しメニューのようで気になりますが、中はケチャップライスですか?
〔香西様〕中はバターと塩コショウだけの、シンプルなバターライスです。今は秋メニューのオムハンバーグにもバターライスを使っています。
-卵もふわふわな感じですが、何かコツはあるんでしょうか?
〔香西様〕卵2個と牛乳で作っています。
〔吉田様〕最初にフライパンを強火で温めて油を多めにひくと、卵がフライパンにくっついたりベチャっとならない気がします。
フライパンと油が十分温まったら火を中火ぐらいにして、卵を入れるとジュッとなったところを、シャシャっとお箸でかき混ぜて、短時間で手早く仕上げるっていうのが、ここでのやり方です。
万が一、卵がちょっとぐちゃってなったり、千切れたり、穴が空いたりしても、上からハヤシソースをかけると誤魔化せるわけなんです(笑)。
-洋菓子、ケーキ類の生地はいつ仕込まれていますか?
〔吉田様〕生地は焼く当日に作りますが、スチームオーブンで焼いたものを一旦冷凍しておきます。それをご注文の都度、蒸気を出しながらスチームオーブンで温めてお出しするので、できたての感じをお楽しみ頂けると思います。
今はモンブランパンケーキがおすすめです。中のパンケーキは、生地にもこだわった自家製です。乾燥卵白であるとか、卵白と卵黄ももちろん入れるんですけど、卵白を泡立ててメレンゲにして入れています。それ以外にはコンスターチとか、あとは企業秘密ですね。
-ジュースも自家製ですか?先日の取材先では、コーラを自家製で作られていました
〔吉田様〕ありますよ、自家製コーラ。
〔香西様〕カルダモンとかクローブ、シナモンとか香辛料の粒を潰して、お砂糖と煮込んでコーラのシロップを作って炭酸水で割っています。市販のコーラを飲み慣れている利用者さんは、味が違うみたいな(笑)。
〔吉田様〕自家製のジンジャエールも、結局、市販のものとは味が違うので。ジンジャエールの方が飲みやすいようです。生姜を刻んでお砂糖と一緒に煮詰めて。
-炭酸水といえば、炭酸水でお米を炊くとふっくらと粒立ちして、お米の白さも引き立って結構おいしいですよ
〔吉田様〕全部炭酸水ですか?私うちでやってみようかな。
-家庭でも美味しくできるようなカレーとか、洋食メニューのポイントは何かありますか?
〔吉田様〕キッシュを作る時は季節の具を炒めたりして入れていますが、これを固めるために卵液と生クリームを混ぜます。生クリームを常備なさっていないご家庭も多いかと思いますので、もしお気軽にお作りになるのであれば、卵と牛乳でもキッシュは作れますので、それはおすすめです。
私の母が料理番組で見ていたのですが、パイシートがない場合はトースト用のパンをギュッと潰してオーブントースターでカリカリに焼くんです。それをシート代わりにして、キッシュの具材を入れて、トースターで焼くというのをやっていましたね。キッシュとか、ちょっと手間かなって思われる方も多いと思いますが、意外と簡単にできます。
取材:渋間、稲垣
=インタビュアー実食!=
人気のビーフカレーを頂きました。具材がゴロゴロ入っていて、自然とテンションも上がります。因みに、施設のレトルト部門にて作っているレトルトカレーを使用しているとのことで、カフェ入り口のショップスペースで購入もできます。お肉は大きいのにとても軟らかく、味付けも辛過ぎないのでお子様でも美味しく召し上がることが出来ると思いました。また、サラダとスープもセットになっているので、非常に食べ応えがあります。
デザートに、人気のパンケーキミックスベリーも頂きました。食感はとてもモチモチとしていて生クリームも甘過ぎず、甘酸っぱいベリーとの相性も抜群でした。電車を見ながらゆっくりと、誰もが気軽にくつろげる、まさにコンセプト通りのとても素敵なカフェでした。
稲垣
横浜市西区浜松町14-40
TEL:045-253-3021
営業時間:火〜土11:00〜16:30
火〜土にあたる祝日 11:00〜14:00
定休日:日曜日•月曜日
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