プロの料理人が選ぶ理由

インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。

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ちょいと一杯がちょうど良い大衆居酒屋「なか屋」様

2023.2.10

なか屋店舗入口

昭和世代には親しみやすい雰囲気の店構え

小田急線 海老名駅から徒歩2分、下町ハイボールや地元の老舗酒造の日本酒といったこだわりのお酒と、毎日通えるリーズナブルな一品料理が豊富な「なか屋」様。

安さに妥協しないプロの目から選んだ質の良い食材で常連さんにも愛されるお店では、大潟村産あきたこまちを使ったランチも人気です。昭和を感じさせる店内はどこか懐かしく、つい長居をしてしまいそうな居心地の良さ。店主の中島様にお店を始められたきっかけ等をお聞きしました。

 

-昭和58年に創業されたそうですが、当時のエピソード等があればお教えください。

 元々は親父が酒を扱う商売をやりたがっていて、ここに来るまでは世田谷の方で洋食のレストランをやっていました。今で言うファミリーレストランですね。

親父がアサヒビールにいて、脱サラしてずっとレストランをやっていたんです。本当は酒屋をやりたいと言っていたんですけど、それはもうお袋が大反対して。ここで出店の話があって、酒を中心に扱う商売をということで居酒屋を始めました。

 -店名の「なか屋」というのは中島様のお名前からですか?

 そうです。でも最初は、夢一文って名前で始めたんです。

お店を始めた当初は、海老名にはまだ何も無くて、駅向こうに日立製作所の大きい事業所がありました。その頃まだ日立製作所とかゼロックスとか、厚木ナイロンの会社関係の方がたくさんいて、海老名なんて言うのはもう日立の城下町みたいな感じだったんですね。それでなんとか続けられていたんですけれども、日立製作所が撤退しちゃった時に、どうしようっていうことでいろいろ考えて。

店主中島様

お酒が飲めなくても、お酒に合うお料理は熟知している店主の中島様

実は僕、ちょっと酒が飲めないんです。平成に入ったぐらいから後を継いで始めたんですが、昔は海老名の改札口の横に売店がありまして、ちょうどその頃、ちょっと遅い時間に通りかかったんです。そこでワンカップを飲んでいる人が、なんかすごく目についたんですね。

 -そういう方、いますよね(笑)。

 景気が悪くなってお客さんの財布、お父さんの財布が軽くなってきても、酒を飲みたい気持ちはあるんだなと。それで、たまたまある人と出会って海老名にないお店を作ってみないかということで、オープン当初は普通の居酒屋をやっていました。今はメニューにあるように、低価格、値段を半分にして量も半分にして、その分色々楽しめるようにしています。

 最初ここは、グルメ館(現在はビナウォーク:海老名駅前の複合商業施設)って言っていたんですけども、一業種一店舗で始まったんです。飲み屋はうちだけで、パン屋さんがあったり喫茶店がったり、うどん屋さん、スパゲッティー屋さんとかお寿司屋さんとかありました。

その後、景気が悪くなってきた時にみんなやめて、新しいところが入って結局飲み屋街になったんです。まあ最初はちょっと心配したんですけれど、今となっては逆にこの建物自体が飲み屋街って言うことで、うちは中高年中心で、向かいは若者が中心とかそれなりに客層も棲み分けが出来ていますね。

 -そうなんですか。昭和レトロな感じのお店ですものね。

 レトロにしたんじゃなくて、昭和58年当初のまんまみたいな(笑)。

平成17年だったかな?今の店名のなか屋に変えて、それで単価を安くしたり。今はどこにでも安いお店がありますけど、たまたまですが、まあその走り。それが今もなんとか続いています。

なか屋店内

お座敷や障子戸、創業当時からの雰囲気がそのまま

 お店を続ける上で大事にしていることをお教えください。

 そうですね、海老名という土地柄もあって一見のお客さんだったらいくらでも来てもらえるんですけれども、やっぱりリターン、馴染みになって何回でも来てくれる方を大事にしています。海老名に来て、12万使ってくれるのもありがたいんですけれども、そういう方は1ヶ月に12回なので、それよりも「せんべろ」じゃないですけども。

ボトルを入れている方なんかは千円もかからない場合もありますが、そういう風にちょこちょこ使ってくれる方は、例えば1週間に34回来てくれると、1ヶ月のトータルにすればすごい利用してくれているわけですから。そういうお客さんを大事にしたいという気持ちでやっています。

 -食材選びで大事にしていることお教えください。

 必ず自分の目で確かめる。週2回、川崎北部市場へ行って直接自分で仕入れて来ています。業者さんも入れていますが、自分で行けばその時のおすすめにできるようなもの見つけられるんで、やっぱり行かないと分からない。

 -今、色々な価格が高騰している中でこの値段をキープするには、相当なご苦労があるのでは?

なか屋店内

手書きのメニューとポスターがいい味を出しています

大変です、もうひどいですね。見えない範囲で量を調整したり。メニューの値段は、いわゆる80円の価格で180円、280円、380円、480円と先に決めちゃっているものですから。

 -お米の炊き方についてポイントがあればお教えください。

 ふっくら炊けておいしくできると思うので、ガス釜で炊いています。特別なことはしていないんですけれども、翌日に残らないようにこまめに炊くようにしています。だから大体1日で使う3kg袋のお米を届けてもらっています。

昼間の定食は、その日の朝炊いたお米でご飯を提供しています。夜はおにぎりとか焼きおにぎり、あとはお茶漬けとか。使い切れなかった分は、味付けして焼きおにぎりにして冷凍しています。

お昼のメニュー

ランチも充実のラインナップ。この価格でご飯のおかわり自由はありがたい!

-お米へのこだわりや弊社のお米を使って頂いている理由、きっかけをお教えください。

 きっかけは、たまたま営業の方が飛び込みで来てくださって。それまでは酒屋さんからお米を取っていたんですけれども、やっぱりどうしても年末、年明けぐらいになると良くないんですよ。あきたこまちさんはその都度、精米していますよね。その影響じゃないかと思うんですけども、いつも同じ状態でお米を届けて頂いている。地元から取っていると、新米の時は良いんですけれど、やっぱりだんだん質が落ちてくるんですよね。

それがないのが一番と、やっぱりお客さんの評判で「お米がおいしい」って言ってくださるんです。昼間の定食だけでなく、もうお米はずっと使っています。

炊きたてごはん

定食や締めのお茶漬けには、精米したてのあきたこまちのご飯

お米の値段なんてピンキリで安いのはいくらでもあるんですけれども、やっぱり僕が一番重要視するのは、年間を通して同じ状態の品質、同じ状態の品質を提供してくれるっていうのが、あきたこまち協会さんを選んでいる一番の理由です。

  

=インタビュアー実食!=

ポンから定食

お酒も進む唐揚げは、ごはんとの相性もバッチリ

ランチメニューの「ポンから」をいただきました。

お料理が運ばれてきた時の香りから食欲をそそられました。出来立て熱々をいただくと、噛むたびにお肉の上品な旨みが肉汁とともにあふれ出てくるのがたまりません。皮の部分はカリッとしつつ、中はふっくらジューシーに仕上がっています。

ポン酢に大根おろしを入れてからいただくと、ポン酢の爽やかな香りが口の中いっぱいに広がり、お肉の脂が口の中でリセットされます。これでまた延々とご飯が進みます(笑)。付け合わせのきんぴらごぼうときゅうりの和え物もとてもおいしく、お味噌汁も含め、大満足な定食でした。

やはり居酒屋さんの唐揚げは間違いない!と改めて感じました。大満足なこの定食メニューが千円でお釣りがくるのもとても魅力的だと思います。また通いたくなる、とても素敵なお店でした。ごちそうさまでした。

 

大衆居酒屋 なか屋

神奈川県海老名市中央1-8-1 ビナウォーク2番館

TEL:046-233-6264

営業時間:ランチ11:30~(L.O.14:00)
ディナー16:30~23:00(L.O.22:00)
土曜日・日曜日・祝日
11:30~23:00(L.O.22:00)
(ドリンク/L.O.22:30)

定休日:不定休

https://www.ebina-nakaya.jp/