インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。
ホーム > プロの料理人が選ぶ理由 > ボリューム満点!人情満点!町の洋食屋さん「キッチンTiKi」様
2022.11.10
神奈川県川崎市、東急新丸子駅から徒歩1分の好立地に店を構える「キッチンTiKi」様。1979年創業、40年以上も地元で愛される町の洋食屋さんです。山小屋をイメージしたお洒落な店内は隅々までピカピカに磨かれ、コック帽が素敵な店主様がカウンターで出迎えてくださいます。
洋食の定番はやっぱりハンバーグ。お肉の旨味をしっかりと感じられる、肉汁ジューシーに仕上がる作り方のコツも伺いました。
-お店を始められたきっかけや、開店当時のエピソード等をお教えください。
僕はもともと蒲田に住んでいたので、東急東横線沿いでお店をやりたかったから武蔵小杉とか元住吉とか、あの辺りを探していたんですけど、なかなかいいところがなかったんです。
お店を始める場所を探していた当時、古い建物があって建築計画が出ていて、たまたま運良くここに場所があったから、もうその日に決めてしまったんですよ。不動産屋さんも、大家さんにも、とても良くしていただいてて、信頼関係があるというのはとても大事だと思います。
駅の近くで、すごく立地が良いので最初から終電までやろうということで、朝からランチをやって、そのまま終電までお店をやっていました。
親しいお客様とお話ししてるといつのまにか朝刊が来ちゃったりね(笑)。
夫婦二人でやっていこうと思っていたので、10坪くらいしかできないかなと思ってたところ、ここはお店そのものが20坪もある。広いけど、いずれにしても住むところもなかったから、開店当初は裏半分を住居にして、表側半分をお店にして商売していたんです。ですから、こっち(店舗出入口)側と向こう(店舗奥)側で全くイメージが違うんですよ。
1年ほど仕事をして、おかげさまで繁盛したら今度はお店が狭くなっちゃった。そこで、僕たちが引っ越して改装することにしました。せっかく住居スペースを作ったんですが、全部壊しちゃって全てお店に改装したんです。妻の実家でお父さんが材木の仕事をしてたもんですから、素晴らしい丸太とか材料を安く分けてもらってきてね。
山小屋風に作りたかったので、そういう感じにしたいと設計士さんにお願いしました。
このランプシェードなんて、色がないんですけど、昔は赤とか黄色とか青とか、色がついていた。油で汚れるからしょっちゅう掃除している間に何も色がなくなっちゃった(笑)。
電気屋さんに行った時にどうしても欲しくて買ったものなんです。手作りのガラスで、今はとても手に入らないもの。
すごく高価だったのを覚えてますけど、どうしても欲しくて欲しくて買ったやつなの。
僕がガラスが好きな理由は、洗うと綺麗になるから。アクリルは洗ってもくすんできちゃうけど、ガラスは掃除をすると元の姿になるからガラスはとても好きです。
ガラス磨きが得意でしょっちゅう磨くんだけど(笑)。
-お店を続ける上で大切にされていることをお教えください。
開店当時、あんまりお金がなくて、お店を作るのが精一杯だった。お米買ったりとか野菜買ったりとかお肉買ったりして。いよいよ明日、開店という日に妻と二人で「いくらある?」と話していた時、あったのは数千円だったんですよ。
お陰様でなんとか切り抜けることができましたけど、本当にお金はギリギリ。でも一生懸命やればお客さんは来てくれると思ってた。
最初の1年ぐらいはちょっと厳しかったんですけども、とんでもなく苦しかったという感じではなかった。ひっきりなしに、お客様が来てくださいましたからね。
料理を作る上で大事なことは、同じことを丹念に続けることだと思うんですね。奇をてらって変わったことをやるとかじゃなくて、丹念に丹念に続けていくのが一番大事じゃないかと思います。
-お腹がいっぱいになる大満足のメニューがたくさんあってとてもありがたいです。
僕は若い頃、食いしん坊だったんですよ。ですから、一軒にご飯を食べに行っても満足できないんだよね。足りなくて、もう一軒行ったりすることが結構あったんです。だから、一軒でお腹いっぱいにできる、満足できる量を、と。
最初から、「サラダいっぱい!」「いろんなものいっぱい!」というふうに考えてたから、皆さんびっくりするんです。『大盛り』なんて言うと本当に、とんでもない量になります(笑)。
開店した頃、学生さんとか多かったので、すごく喜ばれて。サラダとトンカツの意外な組み合わせとか。あの頃…40年前っていうと結構珍しい洋食屋だった。ですから皆さんに喜ばれました。
-お店を通じていろいろな人との繋がりが循環して、素晴らしいですね。
昔、アルバイトをしていた人たちが、時々遊びに来るんですよ。「まかないで食べたガーリックチキンが食べたい」って。みんなの印象に残っているのは、ハンバーグじゃなくて、ガーリックチキンなんだよね。まかないでいろいろ作るんだけれども、それがおいしかったっていうことを結構聞きます。
アルバイトの人たちも、何年経っても遊びに来てくれるんですよ。当時、学生さんだった人たちは、もう定年ですからね。僕よりもずっとみんな偉くなって。みんな優秀なすばらしい人たちばっかり。
久しぶりに子供連れて来てくれたりして、嬉しいです。
仕入れているお肉屋さんはもう40年来一緒です。ですから、好き勝手、憎まれ口も言うんですけども(笑)。
ちゃんとわかって、やってくれますよね。それは助かります。お肉屋さんは今、二代目なんですけど、二代目がうちに初めて来た時は学生服を着てご飯を食べに来ていました。
今はもう立派な、川崎では有名なお肉屋さんになりました。大したもんです。僕の周りみんな偉くなっちゃって、僕だけ置いてきぼりになっちゃって。
人には本当に恵まれてますね。うん、あきたこまちさんに出会ったのもそういうことだと思います。
-家庭でハンバーグをおいしく作るコツをお教えください。
【ハンバーグのコツ その1 ~肉ダネの作り方と焼き方~】
まず、①よく切れる包丁で玉ねぎを切ることが大事だと思います。玉ねぎの繊維を潰しちゃうと、玉ねぎの水分が出てベチャベチャになる場合があるんで、なるべく切れるような包丁で切ってください。
それから、②あまり練らないこと。あんまりお肉を潰さないで作るのがいいんじゃないかと思います。
③肉ダネを混ぜ合わせたらなるべく早く焼くのが良いと思いますよ。焼く時にオーブンを使わない場合は④蓋をして弱火でじっくり焼きます。僕はオーブンで焼くんですけどもね。
⑤触らない。「焼けてるかな?」って触ったり、押したりしてはダメ。焼けると透明なジュースが出てきますから、⑥焼き過ぎないように召し上がるのがいいと思います。
焼き過ぎちゃうと、やっぱりハンバーグでもステーキでもおいしくない。
【ハンバーグのコツ その2 ~ひき肉と味付け~】
ひき肉の割合が結構大事だと思います。
合い挽きではだいたい、牛6、豚4ぐらいがベストだと思うんですね。
オールビーフの場合は、あんまり香辛料、調味料を入れないで塩とコショウだけです。
合い挽きの場合はナツメグとか、いろいろいろんなものを入れますけども、ビーフの場合はビーフの味で召し上がって頂くようにしています。
季節によってお肉屋さんからの、ひき肉の挽き材(=挽肉になる前の肉のこと)が変わる場合がある。ミンサー(=ひき肉をつくるための専用調理器具)の刃が切れないと、お肉を練ってしまうんですね。だからミンサーの刃が切れる状態でやっていただくとつぶつぶのお肉になる。それをあっさりと混ぜ合わせると、歯ごたえのあるおいしいハンバーグになります。
【ハンバーグのコツ その3 ~おいしいソース~】
昔、母がよく作ってくれたんですけれども、お肉を焼いた⑦肉汁にケチャップとソースを入れてかき混ぜてソースにしてね。あの味が何よりも懐かしい。素朴な味で僕は好きですね。
デミソースの缶詰があるじゃないですか。⑧デミソースにワインや牛乳を入れて作ってもおいしいと思います。
-お米へのこだわりや、弊社のお米を使っていただいているきっかけをお教えください。
きっかけは、飛び込み営業にいらした方がいてね。僕は滅多に即答しないんですよ。意外と慎重な方なんで。だから簡単には「いいよ」って言わないんですけど、彼の時は「じゃあ次から取りましょう」ということになった。
当時お茶碗も大きくて今の3割増しぐらいだったから1週間に90キロぐらい取ってたの。でも、だんだんお客様があんまり食べなくなって、20年前ぐらい前からかな?1週間に60キロぐらいにしたんですね。
だんだんお米を食べなくなってますよね、皆さん。だから時々、今のお客様でも「大盛り!」って方もたまにいらっしゃいますけども、ほとんどの方は、お昼は半ライスです。
あと、ランチだけ五穀米をやってます。そんなにいっぱい炊けないんで、せいぜい一升ぐらい炊いています。女性の方にはすごく人気だし、それを目当てに来ていただく方も結構いらっしゃいますよ。ちょっと遅い12時半ごろに来て五穀米を注文される方がいらっしゃるんですけど、すみません、売り切れちゃいましたっていう状況も結構あります。
あきたこまちのお米は本当においしい。お客さんにすごく褒められますよ!
それから、アルバイトの子は若い子が多いので、お腹を減らしてくる子がいっぱいいるんです。だから塩にぎりとか作ってあげる。塩にぎりにしたときのおいしさは、やっぱりあきたこまちが最高です。
無洗米が他とは全然違う。いろんな無洗米を使ったけども、磨き方がとてもいいんですよ。本当に水に浸水するだけで使えるから水道代も本当に助かってる。前は、お店に来て一番先にやるのは、お米研ぎだったんですが、毎朝15キロ研ぐのが本当に重労働だったんだけど、無洗米になったら本当に楽です。
炊飯に使っているのは三升炊きのガス釜です。普段炊く時はそんなに変わったことはしていないと思うんですけども、暑い時期になったら氷を2~3個入れるとか、そういうことはやっています。やっぱり沸騰までの時間を長くすると、おいしいお米が炊けますよね。
あと、面倒くさがらずにこまめに炊くことだと思うんですよ。
いっぺんに三升炊きの釜で三升炊いても、ちょっと無理があると思う。ですから、三升炊きの釜で一升五合とか、まあせいぜい二升ぐらいを何回も何回も炊くと、おいしいお米が炊けると思います。
せっかくおいしいお米をいただいているんで、おいしくお客様に出さないとダメだと思います。
=インタビュアー実食!=
ハンバーグは食べた瞬間に口の中に肉汁が広がり、とても幸せな気持ちになりました。
あまりこねすぎず、ハンバーグのタネを触る時間を少なくしているので、肉感も残っていて食べ応えがあります。また、オーブンを使用して焼いているので、旨みが中に閉じ込められており、付け合わせの玉ねぎのソテーと合わせて最後までおいしく頂けました。
プリプリの海老、衣はサクサクのエビフライはタルタルソースと良くマッチしていて、本当においしかったです。
すごくボリュームがある定食で、ご飯とお味噌汁、サラダもセットでつきます。
女性一人でも残さず最後までおいしく食べられますよ!
ごちそうさまでした!
神奈川県川崎市中原区新丸子東1丁目830番地
TEL:044-433-8902
営業時間:火曜~土曜 11:30~23:00
日曜・祭日 11:30~22:30
定休日:月曜
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