プロの料理人が選ぶ理由

インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。

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マイスターのとびっきり美しい細工寿司。寿司処「江戸翔」様

2022.9.9

東京都荒川区。ここは「モノづくりのまちあらかわ」を宣言する職人の街です。

高い技術と卓越した技能をもって後進の指導・育成に力を注いでいるとして荒川マイスターに認定された、華やかで美しい飾り寿司を作り出す寿司職人である店主・渡部様が営む寿司処「江戸翔」様。

お客様を喜ばせたいおもてなしの心と高度な技術が生み出すマイスターの妙技を見せて頂きました。

 

-お店を始められたきっかけやエピソード、背景などをお教えください。

最初は警察官になるつもりだったんだけど警察にはならなかった。手に職を持てって兄貴に言われて、それで寿司屋になったんだけれど、寿司屋の修業は大変だった。もう厳しくてね。

修業当時は浅草にいたんだけれど、朝10時から翌朝の4時まで上がれません。店は2時までやってたけど2時にお客さんは帰らないじゃない。2時に入ってくる人もいるから。掃除が終わると、明るくなってて4時。東京の人間は寝ないのかなって思ってましたね。

東京で、羽ばたこうと思って「江戸」で「翔」。その思いを込めて店名を「江戸翔」にしたんです。

厳しい修業を経験し寿司職人の道へ。明るい笑顔が素敵な店主の渡部様。

都の担当者も「完璧」と呟いて即帰ってしまうほど感染対策は万全。

産地を証明する高級マグロのシール。

 

-看板の江戸翔様の文字が温かみがあって味わい深いですね。お店の雰囲気にあっています。

(店主様ご子息)看板の「江戸翔」は私が子供の頃に書いています。

店主様のご子息兄弟による可愛らしい力作が看板になっています。

 

(店主様)わざと子供に書かしたの。

(店主様ご子息)「江戸翔」を私が、「寿司処」は兄が居るんですけど、二人とも小学生位の時に書きました。本当にちっちゃい頃なんで、あの文字を今書いてって言われても書けないです。

 

-繊細な細工がされた飾り寿司が本当に見事です。荒川マイスターの作る江戸前飾り寿司にはどのようなこだわりがありますか?

お客さんは、ちょっとした変わったものを入れるだけで喜んでくれるから。例えば「誕生日なので飾り、細工寿司入れてもらえませんか?」とか言われると、花を作って入れたり、巻物も四海巻き(しかいまき)を入れたり。結構難しいから、ほかの寿司屋には多分真似できない。中身が動いちゃうんですね。

これが「四海巻き」。形・配色ともにとても美しく、シンプルな巻き寿司のようで相当な技量を要するそう。

 

この鶴を両方作って、その亀も上に切り抜いたシソの葉っぱをくっつけて、「鶴亀」。

軍艦自体が、昔から「亀」だって言われているんだけど、ただのいくらの軍艦ではなくて、細工でやってみたら寿司組合のパンフレットに載せてくれた。

立体感に驚く鶴と亀の細工にぎり。縁起物がいきいきと躍動して華やかです。

寿司組合のパンフレット。「お客様を喜ばせたい」気持ちが美味の技となって表現されています。

 

-定番の寿司だけでなく、ハロウィンやバレンタインなどの様々なイベントをモチーフにした独創的でおしゃれなものばかり。アイデアが満載ですが、このような発想はどこから来るのでしょうか。

寿司だけではなくて、例えば日本料理屋だったり、普通の和食だったり、洋食だったり、ちょっと真似してみようかなって思えば、やってみますね。そうすると、全然違う分野で、自分の中に取り入れられることが結構あるんでね。

店主様ご自身も楽しんでこそ、良いアイデアが浮かんでくるそう。これはサンタクロースと四海巻きのコラボ!

 

和洋中なんでも真似してやってました。そういうやつを取り入れたほうがお客さんが喜ぶから。昔はペペロンチーノとかまでやってたし。普通は寿司屋でペペロンチーノが出るわけない(笑)

若い頃は結構いろんな所を回ってました。だからいろいろと考えるのが楽しいんですよね。

 

-美味しい寿司を作る上でお米へのこだわりや、弊社のお米を使っていただいている理由やきっかけを教えてください。

 お米はうちのお客さんの米屋さんからずっと取ってたのね。でもバラツキがあるから。

あきたこまち協会のお米を使ったら、これまでとはまったくレベルの違うものが来るから、これは良いなあって思って、それからずーっとおたくを使ってる。

にぎりにも、ちらしにも合うあきたこまち。

 

お客さんの紹介で別のお米を使ったことがあるんだけど、やっぱりあきたこまちのほうがいいなって思ってすぐ戻して、やっぱりおたくのお米がうちでは一番合ってる。

まずハズレがないから。ネタも大事だけど、お米がやっぱり大事だからね。うちなんかも田舎が福島の会津なんでお米を作ってるけど、やっぱりあきたこまちと比べるとレベルが違いすぎて。

 

-家庭で真似できるようなマイスターの技術があればお教えください。

きゅうりを切ってサラダを作るところをやって見せようか?

素人はすぐには切れないかもしれないけど。やろうと思えば出来るようになるんだけどね。こうやって…。(包丁を横向きに素早く入れて、あっという間にきゅうりが薄切りに。)

超高速包丁さばきに驚き思わず絶叫「これはプロならではの技ですよ!!」

 

やろうと思えば誰でもできるんだけど、みんな怖がってやらないだけだよ。こうやって切って、またこれを刻むだけ。

薄切りにしたきゅうりを刻んで出来上がり!

 

別の切り方もあるんだけど、ちょっとやりましょうか。

(まな板の上できゅうりを転がしながら、かつらむきのように極薄にスライス!)

動画あります! マイスターの超絶技巧をご覧ください。

華麗な包丁テクニック!あっという間の出来事です。(真似できない)

 

こっちの方が難しいかもわかんないね。普通の人にとっては。こうやって切るとサラダになる。これに大葉を入れて巻いちゃう。

そんな、へぇ~って言うほどのことでもないんだけど!

刻んで小鉢に盛り付け、爽やかなレモンをキュッとしぼって出来上がり!

 

-この食感はこの薄さがあってこそ。さっぱりしていて美味しいです。

ご家庭で作れるというコンテンツに丁度いいと思います(いや、できませんよ!)。

 

バーッてやったりダダダダッとやったりするから、俺が切ってる姿を初めて見た人はちょっとびっくりしますね。

以前、茨城から団体でカウンターが満タンになるほどお客さんが来たんですが「皆さんお仕事は何やってんですか?」って聞いたら「寿司屋です」って言われて。そうやって勉強する感じで来てる子たちには何でも見せてあげちゃう。

店主様の弟子・田名部様の見事なバラン切り。なんと鶴の羽根の先は繋がっています。後進育成もマイスターの大切な役割だそう。

 

『江戸翔さん、こういう花を作ってますよね?』『みんなの前でやってくれるんですか?』

何でも「いいよ」ってやっちゃう。なかなか、同じようにはできないから。

惜しみなく最高の技術を見せて教える店主様。職人としての自信と誇りに溢れています。

 

 

=インタビュアー実食!=

 

あきたこまちが寿司とちらしになっていきます。

ころんとした形で、ネタがきらきら輝く『飛切にぎり』!

「メディアにこれを出したら大反響になった」という豪華絢爛な『飛切ちらし』!

 

大トロ、赤貝、いくら、イカ…!よくある海鮮丼は、普通に食材がのっているのですが、これは違う。いくらがイカに包まれて花のように飾られています。

とても綺麗で、目でも楽しめる大満足な海鮮丼です。

ごちそうさまでした!!

 

 

 

寿司処 江戸翔

東京都荒川区荒川2-1-6

TEL:03-3806-3299

営業時間:火曜~日曜 11:30~13:00/17:00~22:30
※ネタ・シャリがなくなり次第終了

定休日:月曜

http://edoshou.la.coocan.jp/index.html