インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。
ホーム > プロの料理人が選ぶ理由 > 老舗居酒屋の人気ランチは大盛りごはんに唐揚げ定食「酒処 山清」様
2024.9.15
都営地下鉄三田線、三田駅から徒歩5分にある「酒処 山清」様は、穏やかな店主の石井光司様と、日本酒の知識が豊富な女将の博美様がご夫婦で切り盛りする居酒屋です。お昼には、人気の鶏の唐揚げや鯖の味噌煮をお腹いっぱい楽しめるランチの定食を提供しています。
創業37年目の店内は、ドラマや映画に出て来そうな懐かしく渋い雰囲気があり、テレビ番組のロケが入ることもあるそうです。
人気メニューの調理のポイントや、お米の炊き方について、そしてBSの人気番組に出演された際のお話しをお伺いしました。
-創業された背景や当時のエピソードをお教えください。
(店主)この田町で祖父が酒屋を始めたのが最初です。店内で角打ち(かくうち:酒屋さんで購入したお酒を、そのお店で飲むイートインのようなスタイル)をしていたんだけど、飲食をメインにしていこう、ということで親の代で居酒屋になりました。37年目になります。祖父の酒屋の代からずっと数えると、70年くらいです。
この辺りは、今は飲食店だらけだけど、昔は少なかった。ランチをやっているお店も少ししかなくて、近くに大きな会社もあるから皆並んで…という状態だったんです。だからランチもやるようになりました。
-お店を続ける上で大事にしていることをお教えください。
(店主)うちにはとても良いお客さんがついているので、お客さんを大事に考えています。お客さんのほとんどがリピーターで「あれ?なんだか今日はお客さんが多いなぁ!」と思うくらい、たくさんのお客さんが来てくれます。
ここは学生も多いので、食材にこだわるよりも量をいっぱい食べられる方がいいかなと思っています。だから定食のごはんは大盛り無料です。
3代目店主の石井光司様。「学生さんのために」と定食のごはんを大盛り無料で提供している。
(店主)居酒屋メニューで人気の唐揚げは、ランチの定食でも一番出ます。あと、豚のもつ煮込みは白味噌がベースで、信州味噌(長野県を中心に生産されている、米麹と大豆で造る米味噌のことで、淡色で辛口な風味が特徴)を使っていて人気です。
食材は豊洲じゃなく、築地場外に週1くらいで通って魚と野菜を仕入れています。
-定食にもある冷しゃぶは、自分で作るとお肉がパサパサになりがちですが、家庭で真似できるような調理のポイントはありますか?
(店主)冷しゃぶの豚肉は茹ですぎないのと、すぐ冷水で冷やすことがコツです。あと、唐揚げの場合は味付けには醤油と生姜と、にんにく、だしをちょっと。材料は国産を使います。やはり香りと味が違いますから。値段も全然違うけどね。ただ、あまり自宅で料理はしないけど(笑)
―お米のこだわりや弊社のお米を使って頂いている理由、きっかけをお教えください。
(店主)お米を取り始めてもう20年ぐらいになるのかな。
(女将)もうそんなになるんだ!
(店主)近くのお米屋さんから仕入れていたら、そこが辞めてしまって、どうしようかと思っていた時にちょうど飛び込みで営業の人が来たのがきっかけです。置いていってくれたサンプルがおいしかったので、それからずっと。変わらず、本当においしい。
(女将)お客さんもお米がおいしいって言ってくれます。
(店主)炊く時のポイントは『こう炊いたらいいよ』という紙が入っているから、それを参考に。今はまだ暑いから、冷たい水を使う方がいいので氷を入れて炊いています。
(女将)それと、お米を電気釜で炊くのと、ガス釜で炊くのは全然違います。ガス釜の方がおいしいよね。
(店主)あと、少し軟らかめぐらいで炊き上げています。それぐらいの食感が好きだな。
-日本酒は女将さんの選んだラインナップだそうですね。どんなお酒が推しですか?
(女将)とりあえず辛口推しです!(笑)うちはよくある王道的なお酒は置いていません。
秋田県のお酒なら、春霞(秋田県美郷町・栗林酒造店の銘柄)。9月になったので、秋酒のひやおろし(9月初旬頃から出回り始める冬に搾られたお酒)が今度入ってくると思いますよ(取材日は9/3)。
-BSの人気テレビ番組『吉田類の酒場放浪記』でのエピソードをお聞かせください。
(店主)うちってこういう渋い感じの店なもんだから、実際に番組に出る前からお客さんから「吉田類さんが来ていそう」なんて言われていました。
2年前の10月か11月に、普通に飲みに来ていたお客さんがじつは番組スタッフで、帰り際に声をかけられました。吉田さんのことは、名前や顔は知っていましたが、それまで番組をちゃんと見たことがなかったんですよ。こうして収録が決まったので、急いで番組を観ました(笑)
吉田さんはすごく気さくな人で、特にカメラが回っていなくても話しかけてくれました。本当は他にもお客さんがいるところで撮りたかったそうですが、コロナもあって、お客さんがいない状態での収録でしたから、話し相手もいなかったし(笑)
吉田さんが召し上がったのは、豚のもつ煮込みとカキフライと、しめサバ。飲まれたのは日本酒と、『コウバシ茶割り』です。
コウバシ茶割りというのは焼酎のお茶割りみたいなものなんですが、3種類の茶葉が入っているティーバックを使って、好みの濃さにすることができておいしいんですよ。
(店主)他にもCSで放送している音楽番組の中で、アーティストが居酒屋でトークするコーナーがあって、うちを貸し切って撮影したこともあるんです。
=インタビュアー実食!=
人気No.1の唐揚げ定食を頂きました。
夜メニューで出していたところ、お客様のご要望でランチメニューに加わった唐揚げは揚げたて熱々!
刻んだザーサイをのせた冷奴に、女将さんお手製のぬか漬も付いていました。漬物は日によって変えているそうです。
昭和の雰囲気が残り、どこか懐かしく、そしてとても居心地の良い空間でした。次は是非、女将さんお勧めの日本酒と、店主様自慢の豚のもつ煮込みを食べに伺いたいと思います。ご馳走さまでした!
稲垣
東京都港区芝5-26-5
TEL:03-3451-2934
営業時間:ランチ11:30 ~14:00(13:30LO)
夜17:00 ~ 23:00(22:00LO)
定休日:土曜、日曜、祝日
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